ProofTrace

ProofTrace は「問題を解くアプリ」ではありません。
正しい証明の書き方を教えたり、解答を生成したり、速さや効率を最適化したりもしません。

ProofTrace は、証明を“完成した文章”としてではなく、“たどれる思考の過程”として残すための学習支援ツールです。
私たちは証明を「書く」のではなく、「追跡(trace)する」。


何ができる?

ProofTrace では、理解の途中経過を Proof Trace(証明トレース)として記録します。
トレースは、未完成・誤り・試行錯誤・放棄を含んでかまいません。むしろそれらが中心です。

ユーザーが残すのは、たとえばこんな情報です。

  • なぜその方針を選んだのか
  • どこで行き詰まったのか(失敗の記録)
  • どんな代案を考えたのか
  • 定義・定理・仮定をどう使った(つもり)なのか

こんな人へ

  • 大学数学の「証明が読めない/追えない」を越えたい学部生
  • 証明の“構造”が見えずに苦しんでいる大学院生・自習者
  • 数学・CS・論理の読書会や個別指導で、思考のログを残したい人

ProofTrace が目指すもの

ProofTrace が助けたいのは、次のようなことです。

  • 証明が「どこへ向かっているか」を見失わない
  • なぜその戦略が効く(あるいは効かない)のかを言語化する
  • 文章のうまさよりも 構造を掴む
  • 理解した型(パターン)を、次の証明へ持ち越す

使い方の流れ(ざっくり)

  1. 新しい Proof Trace を作成:定理名やタイトル、任意で文脈(教科書名など)だけで開始できます。
  2. 最初の一歩は未整理でOK:「この証明は何をしたい?」「関係しそうな定義は?」「何がわからない?」を書きます。
  3. Step を追加:サブゴール、見込み、疑問、参照(定義・定理・仮定)などを断片として積みます。
  4. 並べ替え・差し込み:順番が前後してもよく、途中に「穴」を開けてもかまいません。
  5. 失敗を残す:うまくいかなかった方針は、消さずに Failure として保存します。
  6. 中断して戻る:完成要求はありません。やめたところから再開できます。

コア機能(MVP)

  • Proof Trace の作成(タイトル+任意の文脈)
  • Step の追加・編集(自由記述/参照タグ/不確かさの印)
  • Step の並べ替え・再構成(非線形な理解を前提)
  • Failure(失敗)を“消さずに”明示的に記録
  • 未完成のまま保存(完了条件なし)
  • 過去トレースの閲覧(達成度やスコアは出さない)
  • ローカル保存(MVPは local-first)

やらないこと(Non-Goals)

ProofTrace は意図的に、次のことをしません。これらは「未実装」ではなく「設計判断」です。

  • 問題を解く/解法へ誘導する
  • 証明(部分証明やアウトライン含む)を自動生成する
  • 正しさ判定・採点・評価をする
  • ゲーミフィケーション(レベル、実績、スコア等)
  • 「完了」状態を作る/完了を促す
  • 教科書的な解説・講義コンテンツを提供する

用語(最小)

  • Proof Trace:証明を理解しようとする試みの、構造化された記録。完成物ではありません。
  • Step:推論の単位。仮の主張、サブゴール、疑問、参照など何でも入ります。
  • Failure:うまくいかなかったアプローチを示す Step。消さずに残します。
  • Uncertainty:確信がないことを明示する印。未解決でもかまいません。
  • Margins(マージン):証明の「本文」から外れた周辺情報の置き場。たとえば、思いつき・メモ・比喩・関連する定理の候補・直感・反例案・疑い・後で調べることなど、いま本文に入れるには粗いが将来の理解に効く“余白”を保存します(本文の邪魔をせず、思考の痕跡を残すための領域)。

Proofs are not written here. They are traced.