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論計舎:メンター講座

論計舎(ろんけいしゃ)は、 数理理学と算機科学を主軸とした オンライン私塾です。

論計舎は数理論理学と計算機科学を「論と計の科学」として掲げそれを伝え広めることをミッションとしています。

そこには数学的な原理が背景にあり、論理・計算を必要とするすべての人に益するであろうという思いが動機にあります。

論と計の科学

論理的に考えるとき、私たちは step by step でつまり一つ一つの正しい手続きを踏んで結論に至ります。
同様に簡単な計算をするときでも、私たちは一行ごとに式を変形しながらやはり正しい手続きに従って値を求めます。

実はこの論理と計算が数学的に同じものであるという原理があり、それをCurry-Howard対応というのですが、コンピュータという論理的な推論の主役とプログラミングという計算の世界の王は表裏一体であると考えられています。

このことから、論計舎は「論と計の科学」を掲げるのです。

論計祭が、そして論計舎が、提供する「論と計の科学」は、プログラミングはできているけどいっそう複雑だったり大規模だったりするプログラミング業務へ飛躍したい方や、逆にプログラミングをできるようになりたいのにどこから手をつけていいかわからない方の、ボトルネックを解消するものです。

さらに「論と計」のうち「論」のほうに着目すると、人間の思考や科学という営みを説明するために哲学であったり、ことばを話せるとはどういうことかを理解するために言語学であったり、法律にまつわる厳密な議論を数学的に扱うためだったり、学術的な世界で様々に使われています。
しかも、それらを産業や実務で応用していこうという動きも盛んになりつつあると言える現状があるでしょう。
したがって、もしあなたが「正しさ」とか「厳密さ」とかそうしたある種の絶対的な保障や理解を求めるのであれば、「論と計の科学」はあなたに多くを与えでしょう。

論計舎は「論と計の科学」を広めることをミッションとし、その普及を通して世の中を滑らかにそして明らかにすることを願っているのです。

いつでも質問、いつでも添削

メンター講座は、選りすぐりの四名の講師による質問への応答、ノート添削・学習指導のサービスです。

クラウドファイル共有サービス mega のファイル共有機能とチャット機能を用いて行います。

三つの柱

論計舎には「セッション主義」、「対話の重視」、「学びのオートクチュール」という三つの柱があります。
これらは密接に関わり合っています。

セッション主義

論計舎の中心となるサービスはチューター講座です。チューター講座はZoomを用いた通話にて選りすぐりの講師たちが数学の学びをサポートします。
その中心にあるのが、セッション主義なのです。

われわれは一回の通話を「セッション」と呼びますが、これを一つないし二つのトピックについて徹底的に議論する単位と捉えています。
「対話の重視」で後述するようにわれわれは、議論することを重んじます。そして、一つの通話の中でわれわれが提供するのは、わかったつもりになれる冴えた説明でなく、正確な理解に至るための堅実な議論なのです。
一人の講師と徹底的に議論し特定のトピックについて会得していただく。このための通話のあり方をセッション主義とわれわれは呼んでいます。

セッションの中で具体的にはたとえば、講師がまず「お手本」として数学の内容を解説してから、続いてそれを生徒さんに同じ範囲について発表していただき、最後に講師が質問・コメントをします。この質問・コメントにより、生徒さんは「わからないこと」に自ら気が付きます。それを二人でさらに解決していくのです。

このやり方は大学数学科でよく行われるセミナー・輪読という形式に倣っています。このセミナー・輪読の精神が、次で述べる「対話の重視」です。

対話の重視

われわれはセミナー・輪読という形式を重んじ、その対話を重視するという精神を重んじます。

大学のセミナーないし輪読は、少人数で集まり誰かが講義を順番にするというものです。具体的には、読み進める本や論文をきめ、学生がそれについて他の学生や教官の前で説明・発表をします。発表者以外は、発表者に質問をし、双方の理解を助けます。発表者は、読んで理解したことを講義するので、あらかじめ内容を把握し相手にわからせる必要があります。他人に説明しようとすると、自身の理解は深くならざるをえません。さらに内容の把握のために自身のわからないことを自力で理解しなければなりません。
この輪読という形式の根底に、数学は対話を通して学ばれるものであるという考えがあります。

その輪読という形式の精神をオンラインでしかも一対一の形で再現するのが論計舎です。

論計舎の生徒さんは、講師との対話を通して「わからないこと」がわかるようになる、つまり疑問に気が付く能力を得ることができるようになります。
論計舎の生徒さんは、講師との対話を通して教科書を読んだだけではわかったつもりにはなれても理解に自信がなかったり使いこなせなったりする数学の知識を理解し使えるようになります。
論計舎の生徒さんは、講師とは対話を通して自身では理解したつもりになったものをいっそう深く理解できるようになり、自信をもって数学を理解したと考えられるようになります。

そうした対話の意義を深化させるのが、「学びのオートクチュール」です。

学びのオートクチュール

オートクチュールの歴史はフランス革命に遡ります。
十九世紀フランス革命によって身分制度が廃止されたフランスでは、人々が自分好みの服を着れるようになり、大衆向けにデザインや大きさが統一された衣服が登場しました。
それでも仕立て屋に頼んで特別に服を作ってもらう事はなくなりません。そんな中で生まれたのが「オートクチュール haute couture」です。
これはフランス語で「高級」を意味する「オート haut」と、「裁縫」を意味する「クチュール couture」が合わさって出来た「高級仕立服」を指す言葉です。
貴族でなく市民に高級な仕立て服を提供するのが、オートクチュールの始まりでした。

数学は往々にして、大学をはじめとする専門機関に所属する人や最初からそうした人との繋がりを持つ人しか学べなかったりしますし、その学習は時間や習熟度による制約や目標に制限されてしまいがちです。

その限定や制限を取り払った質の高い数学を学習する機会を提供するために論計舎は、生徒さん個人のご都合や習熟度、目標に沿ってカリキュラムを提案します。これを「学びのオートクチュール」と呼んでいるのです。

そして、それを可能にしているのが、セッション主義であり対話の重視なのです。

さらに論計舎の生徒さんは卒業後の論計舎と講師さんと繋がりを持ち続けます。オートクチュールの衣服をサイズ直したりメンテナンスするように、論計舎は生徒さんの卒業後も講師とパーソナルな繋がりをもっていただけ、たとえば論計舎を通してキャリアアップできたのちもセカンドオピニオンを提供者や新しい活躍の場での外での相談の相手になるのです。

質問すること

質問するというのは実は難しいことです。特に適切で的を射た質問とは何かというのは重要で困難な問題です。しかし、どんな質問でもできる相手にどんな質問でも自由にできるのが論計舎のメンター講座です。

ある有名な数学者の逸話を例に質問について説明します。ある数学者が発表の後に「馬鹿な質問をしてもいいですか?」と尋ねられ「その質問自体が馬鹿な質問です」と答えたという逸話です。 数学には「馬鹿な質問はない」という考え方を論計舎は採用しています。すなわち、積極的な質問をすることで、やがて適切で的を射た質問が自然とできるようになるから、どんな質問でも勇気を持って続けていくことが大切であるという考え方です。

プロの数学者でさえ、質問をするのに勇気がいるのです。
自由な質問を自由にできる相手が論計舎のメンターなのです。

ノート添削

数学を学習する上でノートは大切です。講義をノートするだけでなく、テキストを読みながらノートをとりテキストの行間を埋めたり自分なりの理解を書き留めたりし、いつでも参照できるようにすることで自身の中に数学の知識が根付きます。
しかし、独りでは正しいか不安であったり数学の作法に則っているか心配だったりしませんか?さらにはそれが見返したときに本当に有用なのか自信を持てますか?

そうした悩みに対して論計舎が提供する解決が、メンターによる添削です。
論計舎のメンターは数学に習熟しているだけでなくもちろんその学習過程において学び方も会得してきた人たちです。

学習方針

数学の学習や研究は地図もなく砂漠を歩くことに似ています。砂漠といえども地形はありますが、地図がなければどこにオアシスである定義があり、どこに街である定理があるかわかりません。
数学の研究は先達のいない地図を作る作業ですが、学習においてはその限りではありません。
論計舎のメンターは砂漠の地形を知っており、「ここを掘ると水が出てくる」とか「こっちに行くと街がある」とか教えてくれます。

そんな風に学習方針を立て、あなたが適切な街や砂漠の財宝にたどり着くように案内するのが論計舎のメンターです。

厳選されたテキスト

論計舎は、厳選されたテキストに沿ったカリキュラムを提案いたします。というのも、講師が実際に学習時に用いたテキストや論計舎で教材研究をしたテキストから優れたものを採用することで高品質な通話および日々のチャットでの指導をお届けできるからです。
なお、一部テキストでは特別料金が加算されます。

  • 鹿島亮『数理論理学』、朝倉出版、2009
  • 小野寛晰『情報科学における論理』、日本評論社、1994
  • 高橋正子『計算論 計算可能性とラムダ計算』、近代科学社、1991
  • 鹿島亮『C言語による計算の理論』、サイエンス社、2008 (ただいま入手困難らしいので代替の書籍を選定中です)
  • 萩谷、西崎『論理と計算のしくみ』、岩波オンデマンド
  • 新井敏康『数学基礎論 増補版』、東大出版会、2021
  • Benjamin C. Pierce(著)、住井英二郎(監訳)、遠藤侑介他(訳)『型システム入門』、オーム社、2013
  • 竹内外史、八杉満利子『復刊 証明論入門』、共立出版、2010

講師紹介

川井 新

論計舎主催・講師。論理と計算の関わりに関心をもち、在野研究者として活躍中。他に哲学的論理学も専門とする。RIMS共同研究にて口頭発表2回。論理学友の会発起人。指導実績のある分野に、線形代数、微分積分学、数理論理学。ウィスキーと珈琲を好む。

市川 航士郎

東京理科大学数学科所属。数理論理学、特に形式体系の証明の構造を分析する順序数解析に興味を持ち、数学基礎論若手の会などで発表。最近はずっと不完全性定理を再考している。趣味はクラシック、ジャズなどの鑑賞とクラリネットの演奏。紅茶にこだわる。

尾崎 竜史

筑波大学で博士(工学)を取得。修士では偏微分方程式論を研究していた。 様々な解析学の命題について、その成立を予想をするときのインフォーマルな議論と実際の証明を完成させるためのテクニカルな議論に乖離があることへの不満から超準解析に興味を持つ。好きな音楽はムソルグスキー「ボリス・ゴドゥノフ」。専門分野は超準解析であり、対応可能分野には述語論理の基礎、線形代数、微分積分が含まれる。

料金

月毎に基本料金2万2千円 (税込) に講師ごとに特別料金が加算されます。詳しくはお問い合わせください。

お支払いは銀行振込での前払いおよびクレジットカードにて承っております。クレジットカードでのお支払いは仲介サービスの規約に従います。銀行振込における振込手数料はお客さまの負担となります。上記価格は、予告なく変更されることがあります。

受講までの流れ

最初にZoomにて無料の相談通話を設けております。

  1. フォームからお問い合わせください。
  2. 無料相談通話にてお客様の状況とご要望を詳しくお伺いします。
  3. 相談内容をもとにカリキュラムの作成と講師の選定をします。
  4. 二度目の無料相談通話にて講師との顔合わせとカリキュラムの提案をさせていただきます。
  5. 論計舎選りすぐりの講師が、刺激的な知の体験を提供します。

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